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「もんじゅ」巡り異例の勧告 “改善見られず決断”
11月4日 18時31分
福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」を巡り原子力規制委員会は、今の日本原子力研究開発機構に運転を任せるのは不適当だとして、原子力機構に代わる運営主体を明示するよう文部科学大臣に異例の勧告をすることを決めました。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は会見で「納得できるような改善が見られないということがいちばん大きかった。勧告をせずに進めるのが望ましいと思っていたが、理事長の話などを聞き、安心して任せるわけにいかないと判断し、勧告を出すことを決めた」と述べました。 今回異例の勧告に踏み切ることになった理由については、4日の原子力規制委員会で田中俊一委員長は「日本原子力研究開発機構はもんじゅを運転していない状態での保安措置が適切にできておらず、運転するための基本的な能力を持っているとは認めがたい。これは、これまでの長期的な経緯を踏まえた判断だ」としています。そのうえで、もんじゅの特殊性にも触れ、「もんじゅは日本では経験のない新しいタイプの原子炉であり、原子力機構には研究開発の能力などの長所があるという主張もあったが、それをもって運転を任せるわけにはいかない。ナトリウム漏れ事故から20年間、ほとんど施設が動いていないなか、文部科学省が相当の取り組みをしてきたにもかかわらず、問題は解決しておらず、こういった状態をいつまでも放置しておくべきではない」と述べました。
文部科学省が、今の原子力機構に代わる運営主体を明示できない場合、廃炉も念頭にあるのかという質問に対して、「こちらから何かを申し上げることはない。廃炉にするかどうかを含めて、勧告を受けてどうするかは、文部科学大臣が考えることになる」と述べました。
半年をめどとした文部科学省からの報告によっては、もんじゅの設置許可の取り消しもありうるかという質問に対しては、「法律的にはそのような対応もあるが、今の段階ではそこまでは考えていない」と答え、そのうえで運営主体について、「高速増殖炉についての知見が十分にあり、基本がしっかりしていることが求められる。組織が整えばいいというものではなく、それなりに中身を伴うものでなければならない」と述べました。 ”失格“勧告の背景は 原子力規制委員会が「運営主体の交代」という異例の勧告に踏み切った背景には、トップの交代や組織の見直しなど、原子力機構の内部改革では、もはや「改善は困難」という、5人の委員の共通認識があります。高速増殖炉「もんじゅ」は、使った以上の燃料を生み出す夢の原子炉として研究開発が始まりましたが、★20年前の平成7年に、冷却材の★ナトリウム漏れ事故を起こし、その際、組織の隠蔽体質を問われ、当時の動燃=動力炉核燃料開発事業団が解体される事態にまで発展しました。その後、動燃を引き継いだ組織と、日本の原子力の基礎研究を担ってきた旧原研が統合され、今の日本原子力研究開発機構がもんじゅの運営主体となりますが、組織が変わっても安全に関わる問題はなくなりませんでした。運転が長期間止まるなか、平成20年には、計器の誤作動や点検の不備、トラブルの通報遅れなど、組織体質が問われるような事態が相次ぎます。
さらに、平成22年5月、★14年ぶりに再開した試験運転から僅か★3か月後に、重さ★3トン余りもある装置が原子炉内に★落下して抜けなくなる重大なトラブルが発生し、それ以来、運転は★止まったままです。こうしたなか、3年前の平成24年9月からの国の保安検査で、およそ★1万件の点検漏れが見つかったのをきっかけに、新たな問題が次々に発覚し、おととし5月、トップが交代したほか、原子力規制委員会も、管理体制の改善が確認できるまで、試験運転の再開を事実上禁じる命令を出しました。これを受けて原子力機構は、もんじゅを理事長直轄の組織とするなどの見直しを行いますが、その後も問題は相次ぎ、ことし8月には、機器の安全上の重要度を決める分類の誤りも多数見つかり、この★3年間でのもんじゅの保安規定違反は、★9回におよびました。
こうした異常事態に規制委員会は、先月以降、ことし民間から就任した原子力機構の児玉理事長や、監督官庁の文部科学省の幹部を呼び、管理体制などについて厳しく問いました。しかし各委員は、「もんじゅを安全に運転できるのかという、懸念の解消はできなかった。組織の改編や外部からの支援ではもはや改善は困難」だという見解を示し、原子力機構の内部改革での改善は見込めないという認識で一致しました。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は会見で「納得できるような改善が見られないということがいちばん大きかった。勧告をせずに進めるのが望ましいと思っていたが、理事長の話などを聞き、安心して任せるわけにいかないと判断し、勧告を出すことを決めた」と述べました。 今回異例の勧告に踏み切ることになった理由については、4日の原子力規制委員会で田中俊一委員長は「日本原子力研究開発機構はもんじゅを運転していない状態での保安措置が適切にできておらず、運転するための基本的な能力を持っているとは認めがたい。これは、これまでの長期的な経緯を踏まえた判断だ」としています。そのうえで、もんじゅの特殊性にも触れ、「もんじゅは日本では経験のない新しいタイプの原子炉であり、原子力機構には研究開発の能力などの長所があるという主張もあったが、それをもって運転を任せるわけにはいかない。ナトリウム漏れ事故から20年間、ほとんど施設が動いていないなか、文部科学省が相当の取り組みをしてきたにもかかわらず、問題は解決しておらず、こういった状態をいつまでも放置しておくべきではない」と述べました。
文部科学省が、今の原子力機構に代わる運営主体を明示できない場合、廃炉も念頭にあるのかという質問に対して、「こちらから何かを申し上げることはない。廃炉にするかどうかを含めて、勧告を受けてどうするかは、文部科学大臣が考えることになる」と述べました。
半年をめどとした文部科学省からの報告によっては、もんじゅの設置許可の取り消しもありうるかという質問に対しては、「法律的にはそのような対応もあるが、今の段階ではそこまでは考えていない」と答え、そのうえで運営主体について、「高速増殖炉についての知見が十分にあり、基本がしっかりしていることが求められる。組織が整えばいいというものではなく、それなりに中身を伴うものでなければならない」と述べました。 ”失格“勧告の背景は 原子力規制委員会が「運営主体の交代」という異例の勧告に踏み切った背景には、トップの交代や組織の見直しなど、原子力機構の内部改革では、もはや「改善は困難」という、5人の委員の共通認識があります。高速増殖炉「もんじゅ」は、使った以上の燃料を生み出す夢の原子炉として研究開発が始まりましたが、★20年前の平成7年に、冷却材の★ナトリウム漏れ事故を起こし、その際、組織の隠蔽体質を問われ、当時の動燃=動力炉核燃料開発事業団が解体される事態にまで発展しました。その後、動燃を引き継いだ組織と、日本の原子力の基礎研究を担ってきた旧原研が統合され、今の日本原子力研究開発機構がもんじゅの運営主体となりますが、組織が変わっても安全に関わる問題はなくなりませんでした。運転が長期間止まるなか、平成20年には、計器の誤作動や点検の不備、トラブルの通報遅れなど、組織体質が問われるような事態が相次ぎます。
さらに、平成22年5月、★14年ぶりに再開した試験運転から僅か★3か月後に、重さ★3トン余りもある装置が原子炉内に★落下して抜けなくなる重大なトラブルが発生し、それ以来、運転は★止まったままです。こうしたなか、3年前の平成24年9月からの国の保安検査で、およそ★1万件の点検漏れが見つかったのをきっかけに、新たな問題が次々に発覚し、おととし5月、トップが交代したほか、原子力規制委員会も、管理体制の改善が確認できるまで、試験運転の再開を事実上禁じる命令を出しました。これを受けて原子力機構は、もんじゅを理事長直轄の組織とするなどの見直しを行いますが、その後も問題は相次ぎ、ことし8月には、機器の安全上の重要度を決める分類の誤りも多数見つかり、この★3年間でのもんじゅの保安規定違反は、★9回におよびました。
こうした異常事態に規制委員会は、先月以降、ことし民間から就任した原子力機構の児玉理事長や、監督官庁の文部科学省の幹部を呼び、管理体制などについて厳しく問いました。しかし各委員は、「もんじゅを安全に運転できるのかという、懸念の解消はできなかった。組織の改編や外部からの支援ではもはや改善は困難」だという見解を示し、原子力機構の内部改革での改善は見込めないという認識で一致しました。