明石市は、犯罪に巻き込まれて亡くなった被害者の遺族を支援しようと、加害者が「心神喪失」などのため賠償金を求めるのが難しい場合、市が給付金を支給する制度を導入する方針を決めました。
市によりますと、こうした制度は★全国で初めてだということです。
犯罪被害をめぐっては、加害者が「心神喪失」などを理由に刑事責任を問われない場合、被害者の遺族が加害者側に賠償金を求めるのは難しいのが実情です。
こうした遺族を支援しようと、明石市は、市が給付金を支給する新たな制度を、来年度から導入する方針を決めました。
刑事責任が問われない事実を知ってから、３年以内に申請すれば、一律、１５０万円が支給されることになっています。
明石市は５年前、犯罪で重い障害を負った被害者や遺族を対象に、加害者側が賠償金を支払わない場合は、市が立て替える制度を設けましたが、刑事責任が問われないケースを考えると不十分だという意見が寄せられたことから、新たな制度の導入を決めたということです。
明石市によりますと、こうした制度は★全国で初めてだということで、市民相談室の能登啓元室長は、「加害者に罪を償うことを求められず、★苦しい思いをする被害者は少なくない。自治体として★できるかぎりの支援をしたい」と話しています。
【遺族“全国に広がって”】
明石市の新たな支援制度は、ある遺族の訴えをもとに始まりました。
明石市で５０年以上続く料理店を営む、曽我部とし子さん（７３）です。
平成８年、明石市で起きた通り魔事件で、女手ひとつで育てた長男・雅生さんを亡くしました。
当時２４歳、仕事に熱心な母親思いの息子で、事件は板前として店を任せ始めたころの出来事だったといいます。
雅生さんを刺した男は、事件を起こしたあとすぐに逮捕されましたが、「心神喪失」状態だったとして★不起訴処分となりました。
このため、事件によって店の客足が遠のき経済的に厳しくなった中でも賠償金などを求めることができず、「泣き寝入り」するしかなかったといいます。
こうした経験から、曽我部さんは、加害者が刑事責任を問われない事件が起きた場合、被害者や遺族に特別な支援が必要だと訴え続けていました。
曽我部さんは「精神障害者による犯罪では、被害者が置き去りにされていると感じていたが、今回の給付金制度はその突破口になるもので、検討が始まってうれしい。全国の自治体にも同様の制度が広がってほしい」と話していました。
【明石市の支援制度】
明石市は今回の給付金制度のほかにも、★賠償金を受け取れない事態を防ぐため、加害者の財産を差し押さえる手続きを支援する全国初の制度を導入する方針です。
★家事や教育費の補助など、これまでの支援制度をさらに拡充することも計画していて、犯罪被害者の遺族や専門家などを交えた第三者委員会で検証を進めています。
◆泉房穂ふさほ民事提訴！？ ⇔「心神喪失」状態だったとして★不起訴処分となりました。市役所代表電話078-912-1111
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20191113/2020005463.html
犯罪加害者刑事責任なしで給付金 11月13日 15時31分
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