https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191115/k10012178101000.html
東京 世田谷区で一家4人が殺害された事件からまもなく19年となるのを前に、これまで保存されてきた現場の住宅について老朽化が進んでいることなどから取り壊す方向で、警視庁が遺族と話し合いを進めていることが関係者への取材でわかりました。遺族からは、解決を見ないまま現場が姿を消すことになり、犯人逮捕まで残せないかという声が聞かれています。
平成12年の大みそか、東京 世田谷区の住宅で、会社員の宮沢みきおさん(当時44)、妻の泰子さん(当時41)、長女で小学2年生だった、にいなちゃん(当時8)、長男の礼くん(当時6)の一家4人が殺害されているのが見つかりました。
住宅は証拠として保全するため、これまで取り壊されずにきましたが、事件は未解決のまま来月末で19年となり、関係者によりますと、老朽化が進み外壁の亀裂などが確認され、壁が落下したり、家が倒壊したりするおそれがあるということです。
また、外壁の落下などにより、通行人がけがをする可能性があり、取り壊す方向で、警視庁が遺族と話し合いを進めていることが関係者への取材でわかりました。
警視庁は、住宅の状況などは証拠化しているほか、現場の写真や映像を元に、周辺についても当時のままに3D動画で再現しています。
一方、遺族からは、解決を見ないまま現場が姿を消すことになり犯人逮捕まで残せないかという声が聞かれています。
泰子さんの姉の入江杏さん(62)は「老朽化という事情は理解できないわけではないが、4人がどうして亡くならなければいけなかったのか、何もわからないのが現状で、見逃している大切な何かがあるかもしれないのに、取り壊してしまって本当にいいのだろうか。犯人を捕まえて4人が暮らした場所を見せて、なぜひどい事件を起こしたのか、かわいい子どもまでどうして手にかけたのか聞きたい。そのためには思い出が詰まった現場をとどめておかなければいけない」と話しています。