高校受験は失敗し、高校浪人。翌年に兵庫県内の高校に入学しましたが、バレーボールという大きな目標を失った真麻さんは荒れました。喫煙が見つかり、高校は2カ月で退学処分。自暴自棄になり、精神安定剤を服用するようになりました。
17歳の夏。14階から飛び降りる自殺未遂。一命はとりとめましたが、脇から下はまひ、両腕だけがなんとか動くという状態。頸椎(けいつい)損傷で脇から下については、回復の見込みはなく、一生、車椅子生活を余儀なくされました。
「思春期の多感な時期を乗り切るために支えてやることができなかった。それが悔しい」
告発が家族に大きな影響を及ぼすとは、思ってもみませんでした。口には出しませんが、娘へはいつも「すまん…」と心の中で謝っています。いま水谷社長の生活は重度身体障害者の真麻さんの世話が中心です。ただ試練ばかりではありません。「車椅子を押すことがなければ気づかなかったことがいっぱいあった。180度、モノの見方が変わった」。
勇気を持って声を上げた者が割を食う…。加計学園などの一連の流れを注意深く見ている水谷社長は言います。「告発したらつぶされる。そんな風潮が強くなってきているように思う」。
つかの間の息抜きで、好きなサウナに入っているとき、自宅で家事をしているとき、何度も「負けへんで!」とつぶやく水谷社長。「もし生まれ変わって、同じ状況になったら告発しますか?」。直球の質問に「いや、もうようやりませんって!」と苦笑い。もう1度、同じ質問をすると「いや、もうちょっとうまくやるかな」。「負けへんで!」の闘いは続きます。【松浦隆司】
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◆野村氏の息子・克則氏は涙「急すぎて受け入れられない」死因は妻と同じ「虚血性心不全」亡くなった父・野村克也氏について涙をぬぐいながら語る楽天・野村克則コーチ=都内(撮影・開出牧)
プロ野球の南海、ヤクルト、阪神、楽天で監督を務めた野村克也氏が、11日午前3時30分に死去した。84歳だった。楽天が発表した。
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息子の克則氏(現、楽天作戦コーチ)はキャンプ地から戻り、都内の自宅前で対応。死因は野村氏の妻、沙知代さんと同じ「虚血性心不全」だったと明かした。
突然の訃報に、克則氏は「正直、急すぎて受け入れられない」と涙をぬぐい、「午前2時過ぎに電話がかかってきた。ちょっと、様子がおかしいということで、救急車で運ばれまして」と、振り返った。続けて、「その後病院の方で懸命に治療していただいたんですけど、死亡が確認されたのは、3時半ですね。死因のほうは虚血性心不全、おふくろと一緒だと」と明かした。
野球人として、父の背中を追いかけてきた。「今あるのは父親のおかげ。本当に偉大な存在で、その息子であったことは本当に誇りに思います。残念です」と語った。葬儀は密葬で後日、お別れ会を開くという。
野村氏の心の支えとなっていた愛妻・沙知代さんは17年12月8日に急逝。野村氏のショックは大きく、生前に「この2年間で男の弱さを痛感している」、「さみしいね」などと語っていた。