◆袴田さん励ました元ボクサー ディラン歌曲のモデル
高橋淳2017年6月13日18時01分
袴田巌さんの写真を持つルービン・カーターさん(2008年1月、笠井千晶さん提供)
2016年のノーベル文学賞を受賞した米国人ミュージシャン、ボブ・ディランさん(76)の代表曲のひとつに、「ハリケーン」がある。★歌の主人公は冤罪(えんざい)と闘う黒人の元ボクサー。無罪を勝ち取った彼は、同じように冤罪を訴えていた日本の元ボクサーに「東洋のハリケーンへ」と励ましのメッセージを送っていた。
「西洋のハリケーンから東洋のハリケーンへ――。俺は生き延びた。あなたも生き延びてくれ」
2008年1月、東京・後楽園ホール。スクリーンに元世界ミドル級1位の米国人、ルービン・ハリケーン・カーターさん(享年76)のビデオメッセージが流れた。
彼が呼びかけた「東洋のハリケーン」は、1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人殺害事件で死刑が確定しながらも、無実を訴えていた袴田巌さん(81)。メッセージは、日本プロボクシング協会が開いた袴田さんを支援するチャリティーイベントで流された。
「実に感動的な光景でした」。ボクシングジャーナリストの前田衷さん(68)が振り返る。ホールにはディランさんのハリケーンも響いた。
◆再審開始取り消した大島裁判長 過去に横浜事件で免訴
朝日新聞デジタル 岡本玄 2018年6月11日14時49分>記事 社会 事件・事故・裁判
https://www.asahi.com/articles/ASL667FJNL66UTIL06Q.html
袴田巌さんの再審請求を認めない決定を出した東京高裁の大島隆明裁判長
1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で、東京高裁は11日、死刑が確定した袴田巌さん(82)の再審開始を認めない決定をした。高裁で決定を出したのは大島隆明裁判長(63)。77年に司法試験に合格し、80年に弁護士登録した後、翌81年に岡山地裁で判事補になった。東京、横浜地裁で部総括判事を歴任したほか、金沢地裁所長などを務め、2013年8月から現職。来年7月に定年を迎える。
高裁「DNA型鑑定、信用できぬ」 袴田さん釈放は継続
袴田さん姉「残念です」 再審開始取り消しに支援者憤る
横浜地裁に勤務していた時は、戦時下最大の言論弾圧事件とされる「横浜事件」の再審請求審を担当。08年10月には、治安維持法違反の罪に問われ、有罪が確定した雑誌「改造」の元編集部員の再審開始を認めた。再審でも裁判長を務め、09年3月には同法が戦後に廃止されたことなどを理由に、有罪か無罪かに踏み込まずに裁判手続きを打ち切る「免訴」を言い渡したが、10年2月には「治安維持法の廃止などがなければ、無罪判決を受けたことは明らか」として元被告5人に刑事補償を認めた。
東京高裁では東京都庁に爆弾が入った小包を送ったとして、殺人未遂幇助(ほうじょ)などの罪に問われたオウム真理教元信徒の審理を担当。「教団が大規模なテロを計画していると知っていたとは言えない」として15年11月、一審・東京地裁の有罪判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。検察側は不服として上告したが、無罪判決は最高裁で確定した。(岡本玄)
高橋淳2017年6月13日18時01分
袴田巌さんの写真を持つルービン・カーターさん(2008年1月、笠井千晶さん提供)
2016年のノーベル文学賞を受賞した米国人ミュージシャン、ボブ・ディランさん(76)の代表曲のひとつに、「ハリケーン」がある。★歌の主人公は冤罪(えんざい)と闘う黒人の元ボクサー。無罪を勝ち取った彼は、同じように冤罪を訴えていた日本の元ボクサーに「東洋のハリケーンへ」と励ましのメッセージを送っていた。
「西洋のハリケーンから東洋のハリケーンへ――。俺は生き延びた。あなたも生き延びてくれ」
2008年1月、東京・後楽園ホール。スクリーンに元世界ミドル級1位の米国人、ルービン・ハリケーン・カーターさん(享年76)のビデオメッセージが流れた。
彼が呼びかけた「東洋のハリケーン」は、1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人殺害事件で死刑が確定しながらも、無実を訴えていた袴田巌さん(81)。メッセージは、日本プロボクシング協会が開いた袴田さんを支援するチャリティーイベントで流された。
「実に感動的な光景でした」。ボクシングジャーナリストの前田衷さん(68)が振り返る。ホールにはディランさんのハリケーンも響いた。
◆再審開始取り消した大島裁判長 過去に横浜事件で免訴
朝日新聞デジタル 岡本玄 2018年6月11日14時49分>記事 社会 事件・事故・裁判
https://www.asahi.com/articles/ASL667FJNL66UTIL06Q.html
袴田巌さんの再審請求を認めない決定を出した東京高裁の大島隆明裁判長
1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で、東京高裁は11日、死刑が確定した袴田巌さん(82)の再審開始を認めない決定をした。高裁で決定を出したのは大島隆明裁判長(63)。77年に司法試験に合格し、80年に弁護士登録した後、翌81年に岡山地裁で判事補になった。東京、横浜地裁で部総括判事を歴任したほか、金沢地裁所長などを務め、2013年8月から現職。来年7月に定年を迎える。
高裁「DNA型鑑定、信用できぬ」 袴田さん釈放は継続
袴田さん姉「残念です」 再審開始取り消しに支援者憤る
横浜地裁に勤務していた時は、戦時下最大の言論弾圧事件とされる「横浜事件」の再審請求審を担当。08年10月には、治安維持法違反の罪に問われ、有罪が確定した雑誌「改造」の元編集部員の再審開始を認めた。再審でも裁判長を務め、09年3月には同法が戦後に廃止されたことなどを理由に、有罪か無罪かに踏み込まずに裁判手続きを打ち切る「免訴」を言い渡したが、10年2月には「治安維持法の廃止などがなければ、無罪判決を受けたことは明らか」として元被告5人に刑事補償を認めた。
東京高裁では東京都庁に爆弾が入った小包を送ったとして、殺人未遂幇助(ほうじょ)などの罪に問われたオウム真理教元信徒の審理を担当。「教団が大規模なテロを計画していると知っていたとは言えない」として15年11月、一審・東京地裁の有罪判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。検察側は不服として上告したが、無罪判決は最高裁で確定した。(岡本玄)