:借金完済⇒だが地面師被害予防⇒安全装置=【担保設定外さず堅持!】
◆地面師男女ら強制捜査へ、警視庁 積水ハウス、55億円被害 10月16日(火)6時0分 共同通信
積水ハウスが購入代金をだまし取られた土地(中央)=2017年9月、東京都品川区 写真を拡大 積水ハウスが架空の土地取引で約55億円をだまし取られた問題で、所有者に無断で土地の登記を移転しようとしたとして、警視庁捜査2課が近く偽造有印私文書行使などの疑いで、所有者に成り済まして土地を売買する「...
◆積水ハウス「クーデター」の元凶となった地面師事件「その後の深層」https://gendai.ismedia.jp/articles/-/54751
なんでこんなヤツらに騙されたのか…
伊藤 博敏ジャーナリスト
プロフィール
シェア12ツイートブックマーク4
まさか地面師に転ばされるとは…
住宅大手の積水ハウスが、地面師グループに騙され、東京・五反田の老舗旅館「海喜館」を70億円で買収する契約を結び、55億5000万円の実質的な被害を受けた事件は、その責任を取らされそうになった阿部俊則社長(現会長)が、「クーデター」を起こして和田勇会長(現取締役相談役)を辞任に追い込む騒動に発展した。
積水は、この内紛も事件の概要も公表してこなかったが、3月8日に開催される決算取締役会を前に、調査対策委員会が作成した「調査報告書の概要」、クーデターが発生した1月24日の「取締役会の経過説明」などによって、株主からの阿部氏に対する善管注意義務違反等の責任を追及する「損害金(約56億円)と同額の賠償訴訟」が起きていることを、3月6日、いっせいに開示した。
3月8日は、和田派による反撃も予想されるという観測も流れているだけに、事前に論点整理、マスコミに観測記事を書かれたくないという思いもあったようだ。
それにしても、JR五反田駅から徒歩3分という不動産業界垂涎の約600坪に、これだけの「落とし穴」が待ち受けているとは、阿部氏も思いもよらなかっただろう。
言うまでもないことだが、積水は被害者である。だが、そのあまりに杜撰な契約課程と処理の仕方は、社会的責任の発生する大企業のものではなく、報告書の全文を発表しない姿勢にも疑問がある。
事件の責任は誰に着せられるのか、そして警視庁が捜査する地面師事件の行方はどのようなものなのか。
この事件を最初に報じたのは、昨年8月3日配信の本サイトである。私が、「成りすまし女」の偽造のパスポートや印鑑登録証書などとともにレポートした。(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52480)
その前日、積水は、「70億円の土地取引において被害が発生、捜査当局に刑事告訴する」と、発表していた。
地面師事件そのものは珍しくない。地面師は、土地所有者に成りすます男女を用意、本人確認の免許証、パスポート、印鑑証明などを偽造する。昔からある「詐欺の手口」で、現在、警視庁管内だけでも50件以上の被害届が出され、捜査2課は複数の案件に捜査着手している。
不動産業界が驚愕したのは、騙されたのがこの種の詐欺に備えが万全のハズの積水であったこと、多くても数億円の地面師事件の被害金額が桁違いの70億円だったこと、そしてなにより「海喜館」が、怪しげな不動産ブローカーや地面師連中が持ち歩く著名物件であったことである。
同社東京マンション事業部が物件売却情報を入手したのは、昨年3月末頃だった。担当部長が、永田町の小林興起元代議士事務所に入居する不動産会社IKUTAホールディングスのオーナーから情報を入手。
購入に動き、4月20日までに、所有権者の女将のEさん(当時72歳)、その財務担当を自称する大西武(仮名)などと接触、物件調査や本人確認を行い、不動産担当部長、マンション事業本部長などへ根回しを済ませ、稟議書で阿部社長の決済印をもらっていた。
売買契約が行われたのは4月24日。当日、Eさん、大西、Eさん側司法書士、IKUTA社のオーナーと代表、積水ハウスの担当部長と課長、同社側司法書士が一堂に会し、EさんがIKUTA社に売却、IKUTA社が積水に売却するという契約が結ばれ、手付金として14億円が預金小切手で支払われ、同日付けで登記申請された。
驚いたのは、この物件に群がっていた人間たちである。Eさんは実はカネで雇われた成りすまし女で、そう仕立てたのは銀座の不動産業者の弘岡達人(仮名)だった。弘岡は、「売買」と「担保提供」の両建てで物件を持ち歩いており、何人もの不動産業者が、「偽E」に引き会わされていた。
「土地を担保にするから40億円を出してくれないか、という話だった。謝礼は5億円。返せなかったから600坪が手に入る悪い話じゃなかったけど、明らかに地面師による仕掛け。断ったよ」(不動産金融業者)
こんな業者が少なくなく、本人印(偽造)が押された「担保提供に係わる協定書」が出回っていた。
Eさんは、子どもの頃「海喜館」の2代目夫妻に養女として入り、独身のまま旅館を守り続けてきた。一昨年末、体調を崩して入院。その情報を聞きつけた弘岡が地面師詐欺に走り、昨年2月頃までに、「善意の第三者」を装えば、合法的に売買に参加できるこの地面師事件にぶら下がろうとするブローカーたちで賑わった。
それだけに、積水の登場で目算が外れた業者は少なくない。儲かったのは、弘岡から案件を受け継いだ「大西とその仲間たち」で、弾かれた業者のなかには、優先交渉権は自分にある、と積水に抗議する業者もいた。
◆地面師男女ら強制捜査へ、警視庁 積水ハウス、55億円被害 10月16日(火)6時0分 共同通信
積水ハウスが購入代金をだまし取られた土地(中央)=2017年9月、東京都品川区 写真を拡大 積水ハウスが架空の土地取引で約55億円をだまし取られた問題で、所有者に無断で土地の登記を移転しようとしたとして、警視庁捜査2課が近く偽造有印私文書行使などの疑いで、所有者に成り済まして土地を売買する「...
◆積水ハウス「クーデター」の元凶となった地面師事件「その後の深層」https://gendai.ismedia.jp/articles/-/54751
なんでこんなヤツらに騙されたのか…
伊藤 博敏ジャーナリスト
プロフィール
シェア12ツイートブックマーク4
まさか地面師に転ばされるとは…
住宅大手の積水ハウスが、地面師グループに騙され、東京・五反田の老舗旅館「海喜館」を70億円で買収する契約を結び、55億5000万円の実質的な被害を受けた事件は、その責任を取らされそうになった阿部俊則社長(現会長)が、「クーデター」を起こして和田勇会長(現取締役相談役)を辞任に追い込む騒動に発展した。
積水は、この内紛も事件の概要も公表してこなかったが、3月8日に開催される決算取締役会を前に、調査対策委員会が作成した「調査報告書の概要」、クーデターが発生した1月24日の「取締役会の経過説明」などによって、株主からの阿部氏に対する善管注意義務違反等の責任を追及する「損害金(約56億円)と同額の賠償訴訟」が起きていることを、3月6日、いっせいに開示した。
3月8日は、和田派による反撃も予想されるという観測も流れているだけに、事前に論点整理、マスコミに観測記事を書かれたくないという思いもあったようだ。
それにしても、JR五反田駅から徒歩3分という不動産業界垂涎の約600坪に、これだけの「落とし穴」が待ち受けているとは、阿部氏も思いもよらなかっただろう。
言うまでもないことだが、積水は被害者である。だが、そのあまりに杜撰な契約課程と処理の仕方は、社会的責任の発生する大企業のものではなく、報告書の全文を発表しない姿勢にも疑問がある。
事件の責任は誰に着せられるのか、そして警視庁が捜査する地面師事件の行方はどのようなものなのか。
この事件を最初に報じたのは、昨年8月3日配信の本サイトである。私が、「成りすまし女」の偽造のパスポートや印鑑登録証書などとともにレポートした。(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52480)
その前日、積水は、「70億円の土地取引において被害が発生、捜査当局に刑事告訴する」と、発表していた。
地面師事件そのものは珍しくない。地面師は、土地所有者に成りすます男女を用意、本人確認の免許証、パスポート、印鑑証明などを偽造する。昔からある「詐欺の手口」で、現在、警視庁管内だけでも50件以上の被害届が出され、捜査2課は複数の案件に捜査着手している。
不動産業界が驚愕したのは、騙されたのがこの種の詐欺に備えが万全のハズの積水であったこと、多くても数億円の地面師事件の被害金額が桁違いの70億円だったこと、そしてなにより「海喜館」が、怪しげな不動産ブローカーや地面師連中が持ち歩く著名物件であったことである。
同社東京マンション事業部が物件売却情報を入手したのは、昨年3月末頃だった。担当部長が、永田町の小林興起元代議士事務所に入居する不動産会社IKUTAホールディングスのオーナーから情報を入手。
購入に動き、4月20日までに、所有権者の女将のEさん(当時72歳)、その財務担当を自称する大西武(仮名)などと接触、物件調査や本人確認を行い、不動産担当部長、マンション事業本部長などへ根回しを済ませ、稟議書で阿部社長の決済印をもらっていた。
売買契約が行われたのは4月24日。当日、Eさん、大西、Eさん側司法書士、IKUTA社のオーナーと代表、積水ハウスの担当部長と課長、同社側司法書士が一堂に会し、EさんがIKUTA社に売却、IKUTA社が積水に売却するという契約が結ばれ、手付金として14億円が預金小切手で支払われ、同日付けで登記申請された。
驚いたのは、この物件に群がっていた人間たちである。Eさんは実はカネで雇われた成りすまし女で、そう仕立てたのは銀座の不動産業者の弘岡達人(仮名)だった。弘岡は、「売買」と「担保提供」の両建てで物件を持ち歩いており、何人もの不動産業者が、「偽E」に引き会わされていた。
「土地を担保にするから40億円を出してくれないか、という話だった。謝礼は5億円。返せなかったから600坪が手に入る悪い話じゃなかったけど、明らかに地面師による仕掛け。断ったよ」(不動産金融業者)
こんな業者が少なくなく、本人印(偽造)が押された「担保提供に係わる協定書」が出回っていた。
Eさんは、子どもの頃「海喜館」の2代目夫妻に養女として入り、独身のまま旅館を守り続けてきた。一昨年末、体調を崩して入院。その情報を聞きつけた弘岡が地面師詐欺に走り、昨年2月頃までに、「善意の第三者」を装えば、合法的に売買に参加できるこの地面師事件にぶら下がろうとするブローカーたちで賑わった。
それだけに、積水の登場で目算が外れた業者は少なくない。儲かったのは、弘岡から案件を受け継いだ「大西とその仲間たち」で、弾かれた業者のなかには、優先交渉権は自分にある、と積水に抗議する業者もいた。